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<1.堆積過程>

 

 流水や風などの作用で岩石が侵食され、砕せつ粒子が形成さ、河川などにより運搬され堆積していく過程を堆積過程という。

 侵食地形の1つにV字谷がある。富山県の黒部峡谷が代表例であり、河川の下方侵食により形成される。(黒部峡谷V字谷

 堆積地形には扇状地や三角州がある。扇状地は土石流などで運搬された砂や礫が山が開けた土地に堆積し形成される。富山県内では常願寺川が有名であり、岩峅寺から広がる地域である。(常願寺川扇状地

 また、河口付近に砂や泥が堆積して形成される地形として三角州がある。(広島県太田川三角州

 岩石が分解されている作用を風化という。風化には、大きく分けて物理的風化と化学的風化があり、物理的風化の代表例として玉ねぎ状構造がある。玉ねぎ状構造は、岩石に染み込んだ水が凍結し岩石が分解される風化である。また、化学的風化の代表例として鍾乳洞がある。鍾乳洞は石灰岩が雨水によって溶かされ地下の洞窟などにつららのような構造ができるものである。

 

 

 

洪水時の堆積過程と流水の作用

 洪水では、砂や礫を多く含む激しい流れの土石流と、泥や砂が水を濁らせる混濁流がある。これらによって、扇状地や三角州が形成される。

 流速・粒径と流水のグラフ

 Ⅰのラインは堆積を始める流速と粒径の関係を示している。このグラフよりも上の領域では流水中に砕せつ粒子が浮遊していおり、このラインよりも下の領域では砕せつ物が堆積している。また、Ⅱのラインは運搬・侵食を始める流速と粒径の関係を示している。このラインから読み取れることは、流速を徐々に大きくしていくと、最初に動き出す(運搬される)のは砂である。粒径の小さい泥は結合力が強く、一度固まるとなかなか動かない性質がある。